初めてプログラムに触れる方や、 プログラミング経験者でも、TJSに馴染みの無い方はワクワクされているかもしれません。
何事も始めが肝心で、最初につまづくと、後になって困ります。 ここはグッと堪えて、始めにしておくべき設定と環境の整備を行いましょう。
実行環境を整えよう
吉里吉里2は入手出来ましたか? 解凍ソフトをお持ちでなければ以下がお勧めです。(使い方は同梱のヘルプをご覧ください)
解凍、圧縮ソフト:Lhaplus
TJS2に挑戦しようとしているという事は、KAGに触れた事のある方も多いと思いますが、 TJS2でプログラミングを行う際は、『krkr.eXe』と『startup.tjs』の二つのファイルだけ必須となっています。
具体的なフォルダ構成を以下のようにしておきましょう。 (あくまで推奨、であって必ずこうしなければならない、というわけではありません。
sample……適当な名前。 ├krkr.eXe……吉里吉里2実行コア └data……作業フォルダ。 └startup.tjs……内容は空にします。dataフォルダ内に入れます。
このような構成のフォルダ「sample」(名前は何でもいいです)を、任意の位置に作っておいてください。 場所は分かり易いデスクトップやマイドキュメント直下が良いです。 以降は、このようなフォルダ構成になっているものとして、特に追記しません。
分かり易い様に図解すると、こうなります

もし、お魚の名前が「krkr.eXe」ではなく「krkr」になっているなら、 次のフォルダ設定を変えておこうをご覧ください。
■フォルダ設定を変えておこう
WindowsXPでは、通常はファイルの拡張子は表示されていません。 (Vistaはどうなのでしょうか。) これはちょっと困るので以下の操作で拡張子を表示させておきましょう。
エクスプローラー(ブラウザでは無いです!フォルダを操作する時のアレです。)を起動して、 上部にあるメニューから[ツール]>フォルダオプションの順に、 クリックしてください。すると、以下のような画面が現れます。

画像内にあるように、「ツール」タブ内、「詳細設定」の項目で、 「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外してください。 これで「krkr」と表示されていたお魚アイコンが「krkr.eXe」となっていれば完了です。
■一行で始めるTJS
これまで「プログラム」と書いてきましたが、プログラムの正体は何でしょう。 答えは「テキストデータ」、つまり単なる文字の集まりなんです。 特定の規則に沿って文字を記入すると、それらの文字を吉里吉里が認識して動作するのです。 それら文字の集まりをプログラム、と呼びます。 すなわち、これから覚えて頂くことは、文字を書く為の規則とも言えます。
プログラム?アプリ?コード?
プログラムに関わる呼称は様々な意味で使われていて、分かりづらいのでまとめておきます。
プログラム……コンピュータに特定の処理をさせる為の命令文の集まりで、ただのテキストデータ。またそれを記述する事を指す事もある。
ソースコード……ほぼプログラムと同義。特定の処理だけを指す事もあり、比較的小規模なプログラム。単純にコードと呼ばれる事も。
アプリケーション……コンピュータがプログラムを処理して実行可能にしたファイル。 プログラム本体、映像、音楽などプログラムが必要とするファイルを全て含む。
本サイトでは以上の意味で使用します。
せっかく準備が出来ているので、簡単なプログラムを書いて動作させましょう。 では、吉里吉里ではプログラムをどこに書いたらいいのでしょうか?
……答えは、最初に準備した「startup.tjs」にあります。
startup.tjsとは何だろう?
吉里吉里2リファレンスでは以下のように記されています。
プロジェクトフォルダ決定後、最初に実行されるのは、プロジェクトフォルダ内の startup.tjs です。 これがない場合はエラーになります。
エラーになる、と聞くとゾッとしますが、逆に言えば、startup.tjsさえあれば良いのです。 よって、プログラムは「startup.tjs」の中に書けば良い、と言う事です。
「.tjs」はTJS2の拡張子(.txtとか.jpgとかですよ~)です。 つまり、拡張子がtjsのファイルは、吉里吉里ではTJS2だ!と認識してくれます。 内容は普通のテキストファイルですので、一般的なテキストファイルの拡張子を「.tjs」に変えるだけでも、 TJS2プログラムとなります(当然、実行は出来ません)
一行書いてみよう
startup.tjsはテキストファイル、という事が分かれば何も怖くありません。 とにかく、何かを書いて吉里吉里で表示してみるのが、一番実感出来るプログラムです。 クリックしてテキストエディタで開いてみましょう。(メモ帳でも構いません) そして、以下のように書いてみてください。
System.inform("Hello! TJS2!!");
次回以降も時々「プログラム例」と書かれたボックスが登場します。 この枠に囲まれた部分は、そのままコピーして使えますから、全て「startup.tjs」に貼り付けて実行出来ます。
startup.tjsを保存できたら、krkr.eXeをクリックして実行してみてください。 Hello! TJS2!!、というメッセージが出て、OKを押すと終了するだけですが、 プログラムが初めて、という方はこれだけでも結構嬉しいものです。
さて、ここでの注意点は二つ。
一つの文の最後に「; (セミコロン)」を書く
文とは吉里吉里に何かをさせる為の指示の単位のようなものです。 上の場合では「System.inform("Hello! TJS2!!")」が文です。 「;」は文の終わりに書く事で、この命令はここで終わりですよ、と教えているのです。 ですから、忘れるとエラーが出てしまうので、これは覚えておいてくださいね。
文字を指定する際はダブルクォート「"」を使用する
プログラムで文字を使用する場面では""で囲む必要があります。
あいうえお……×
"あいうえお"……○
ダブルクォート「"と"」で囲まれた部分を変更すると、 表示される文字を変えられますので、色々試してください。
System.inform、の意味はまだ分からなくても大丈夫です。 今は、メッセージを表示する為の文だ、とだけ覚えておきましょう。
System.inform( 表示したい文字や数字 );
これで、好きな文字や数字を表示する事が出来ます。 今後しばらくはこのSystem.informを使い、吉里吉里で「何かを表示」させる事にします。
文字は""で囲む、数字はそのまま半角入力
C/C++
TJSでは関数mainは必要ありません。 最初に実行されるのは「startup.tjs」に書かれている一行目の処理です。
実行方法のまとめ
吉里吉里は「startup.tjs」を読みに行き、実行するという説明をしましたが、 プログラム毎に別名でファイルを保存し、そのファイルを読み込ませて実行させるのが普通です。 長いプログラムを全てstartup.tjsに書いたのでは、プログラムの見通しが悪くなりますし、 作業効率も落ちるからです。
そこで、指定ファイルをTJSとして実行するという命令を紹介しておきます。
Scripts.execStorage(ファイル名)
この一文をstartup.tjsに書き込みます。例えば次のように。
Scripts.execStorage("test.tjs"); test.tjsを実行
では、本入門のプログラムをコピーして実行するまでの推奨手順を記しておきます。
- startup.tjsのあるフォルダに「任意のファイル名.tjs」というファイルを作る(通常はdata内)
- 作ったファイルの中に、希望のプログラムを書き込む
- startup.tjsに「Scripts.execStorage("ファイル名.tjs");」の一行を書き込む
- krkr.eXeを実行する
プログラム毎にファイルを分けておけば管理も楽ですし、 startup.tjsを書き換えれば、実行させたいプログラムを自由に選択できますね。
通常はアプリケーション毎に実行コアとdataフォルダを用意するのが普通です。 今回は入門ですので、あえて一つのプロジェクトとして進めることにします。
※もちろん、煩雑な操作が嫌いな方はフォルダを追加していって構いません。
今回のプログラムに使用するファイルをまとめます。 (全てdataディレクトリに入れておきましょう。)
// hello.tjs
System.inform("Hello! TJS2!!");
// startup.tjs
Scripts.execStorage("hello.tjs");